swans floating on lake - parents can argue nicely

うまく話し合うことを、親は身につけることができるのでしょうか?

パートナーとの衝突にうまく対応する方法は、学校では教えられない生活スキルです。でも、将来は学校でも教えられるようになるかもしれませんね。

出会いの場所はそれぞれ違うでしょうが、あなたが特別な人(パートナー)と出会った時には、子どもが何を食べるべきか、何を着るべきか、何を観るべきか、などについて、将来けんかをする日があるだろうとは、思わなかったことでしょう。二人の関係が深くなっても、話し合う事ではないかもしれません。

でも、子どもが産まれたとたん、このような話題は、今まで考えてもいなかったことから、あなたとパートナーの間の大きな衝突の種になることがあります。

お互いの子育て観について、将来パートナーになる人と話し合っておくように、自分の子どもや友人にアドバイスすることは出来るでしょう。今このブログを読んでいるのであれば、もっと早く知っていれば、と思うかもしれません。でも、もう遅すぎる、というわけではありません。

家庭内の衝突が少なく、親が互いに良好なコミュニケーションを取っている、安定した、予測しやすい、愛情のある環境で育つことが、子どもの成長に最適であることが知られています。ですが、子どもが衝突ゼロの環境で暮らさなければいけない、という意味ではありません。他人との意見の違いに対応しながら共存することは可能であり、しかもそれは一生を通じて身につけている必要のある、素晴らしいスキルであることを、子どもが学ぶことは、本当に大事なのです。

衝突や口論が多く、建設的な会話がない家庭環境は、子どもにとって大変つらいということが問題です。このような環境では、子どもが不安を感じます。ママとパパが別れてしまうかもしれないと心配します。子どもについての口論であれば、子どもは自分が衝突の原因になっていることに罪悪感を感じます。「私が○○をするべきかどうかをパパとママが話している時に、この大喧嘩が始まったんだから、自分のせいなんだ」のように考え、子どもは自分を責めるでしょう。

パートナーについてイライラするところが、子どもについてイライラするところと同じだ、と思うこともあるでしょう。また、自分と子どもの似ているところに、パートナーがイライラしていることもあるかもしれません。子どもの成長には、遺伝と、家庭内で共有する環境や親の子育ての仕方が影響しますから、子どもが親と似ているところがあるのは、納得できます。でも、私には、皆さんに伝えたいことが一つあります。あなたがパートナーに初めて出会った時に、あなたが惹きつけられた素晴らしいところを思い出すことが大切です。

衝突があるのは、自然で健全なことです。家族の意見が一致しないことがあるのは、きわめて普通のことです。でも、衝突が加熱しすぎたり、あまりにも頻繁に起こったり、脅しや暴力にエスカレートしたりしない環境が、子どもには必要です。ですが、家庭内に意見の不一致が全くない、というふりをする必要はありません。衝突は人生の一部ですから、子どもは衝突について学ばなければいけません。

私たち一人一人が、それぞれの子育て観を持って子育てを始めます。子育て観は、その人の経験、意見、将来についての夢などに影響されます。ですから、意見の不一致はいくらでも起こりうるのです。でも、意見の不一致がある時に、よく起こりがちな落とし穴に落ちないようにすることで、意見の不一致の多くは解決することができるのです。

多くのカップルが大喧嘩をするのは、建設的な議論の基本ルールを破ってしまうことが理由として考えられます。このような基本ルールは、聞いたこともないし、ルールに沿って話し合っている人を見たこともない、という人がほとんどでしょう。大人の人間関係で起こることは、子ども時代に自分が見たことに基づいていることが多いのです。それが理由で、パートナーと議論するには、下記のような方法しかない、と思っている人も多いのです:

  • お互いに自分の意見を曲げたり変えようとしない(互いの意見を少しずつ取り入れて解決するのではなく、どちらかの意見が正しいと考える)
  • 結論を出すのに時間がかかる問題、または「とりあえず今はこれで行こう」として、後でもう一度見直すことができる問題かもしれないのに、今すぐに結論を出すことを強く求める
  • ネガティブな考え方や話し方に陥ってしまう。例えば、「いつもこうなんだ―またケンカだ」または「あなたはいつも○○だ」「あなたは全然○○しない」など
  • 他の話に会話をそらす
  • 相手を責め、防衛的になるパターンに陥る

代わりにトライできることには、以下があります:

  • 問題について話し合うために十分な時間をとる
  • 自分のコミュニケーション法に気を配る―相手が話している時には、遮らずに話を聞く、相手に話をよく聞いてもらい、聞いたことを要約してもらう、など
  • 相手の観点を理解しようと努力する。すべての議論に勝たなければいけない、と考えないように努める
  • 自分の生い立ち、そしてパートナーの生い立ちが、現在の状況についての意見にどれだけ影響しているかを理解し、経験から来る意見が、現状に本当に合っているか考える

前向きで建設的なコミュニケーションを取りましょう。そして、子どもは議論がどのように終わるのかにとても敏感だということを心に留めておきましょう。ですから、子どもの前で議論するときは、お互いに歩み寄ったり、あとで仲直りするところを、子どもが見ることができるように努めましょう。

このような問題への対応に助けを得ることは、問題が第3次世界大戦のように大きくなってしまってからである必要はありません。大人同士にとって役に立ちますが、子どもにも大きな助けになります。意見の衝突を効果的に解決する方法を、親が身につけると、子どもは、意見の不一致は解決できるものである、と学びながら成長します。それは、子ども自身にも、そして子どもの将来の人間関係にも重要なことです。