自然の中でサイクリングをする家族

子どもと過ごす時間の作り方が
本当に重要なんです

子どもと十分な時間を過ごしているかどうか、多くの親が罪悪感を感じています。子育ての責任と共に、仕事、家事、その他にもしなければならない事をやりくりしながら、子どもが家族と過ごす時間を失っているのではないかと心配することもあるでしょう。

昔の良き時代には、子どもと今より多くの時間を過ごしていたに違いない、と思いますか?それとも、そんな時間は昔からなかったのに、昔はよかった、と感じているだけなのでしょうか?

『Journal of Marriage and Family』誌で最近発表された論文によると、11歳未満の子どもには、一緒に過ごす時間の量よりも質のほうがずっと大切だということが少なくとも分かっています。

そして、現代の親は、実は、1965年の親に比べて、より多くの時間を子どもと共に過ごしていることが明らかになりました。Pew Research Centerのデータによると、(米国の家庭では)母親は平均で週に13.5時間(1965年は10.2時間)、父親は7.3時間(1965年は2.3時間)子どもと一緒の時間を過ごしています。

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新しい研究も、これまでに分かっていることを再確認しています。つまり、親が子どもと時を過ごすことの恩恵は、時間の長さにはそれほど関係なく、その時間にどんなやり取りをしているかに関係するのだということです。理想的なのは、子どもと過ごす時間が親にとっても子どもにとっても前向きな体験にできるようなスキルや知識を親が持っていることです。

『ワシントン・ポスト』のインタビューで、この研究の共著者であるMelissa Milkie 氏は、次のようにコメントしています:

「この研究を通して、子どもと過ごす時間の量について親が感じる罪悪感を軽減し、代わりに、子どもにとって何が本当に大切なのかを示すことが理想です。」

では、実際に何が大切なのでしょう?1分1分の、子どもとの日々の関わり合いが重要なのです。日々の関わり合いは、多くの親が気づいている以上に子どもの感情の発達に影響を持つ可能性があるのです。

子どもと良質の時間を過ごすことは、例えば(子どもが直接、またはよくないことをして親の注目を求めなくても)子どものしていることに注目する、 おしゃべりをする時間を1日数分間積極的にとる、子どもが質問してきた時に注意深く耳を傾ける、などです。

こうすることで、親は子どもの個性と自尊心を認め、子どもが社交および感情のスキルを学ぶ機会を提供します。

11カ国のデータを分析した経済協力開発機構による最近の報告によると、感情および社交スキルは、学校や大学で子どもがうまくやっていくためには、認知的知能と同じくらい重要なのだそうです。同報告では、しっかりした社交および感情のスキルを持つ10代の子どもは、大人になってから8%収入が高くなる傾向があったというノルウェーの研究も引用しています。

子どもに話しかけられた時に、話半分で聞いてしまうことは、本当によくあることでしょう。自分がやっていることの手を止めて、子どもにフルに注目してみましょう。子どもに話しかける時間を作ることで、子どもが会話術を学ぶ手助けができます。子どもと話すことで、子どもが言いたいことに親が興味を持っていることを示し、感情やアイデアを表現するためにどんな言葉を使えばよいかを子どもに教えることにも役立ちます。

子どもとおしゃべりをする時は、その日にあったことを子どもに尋ねたり、自分がその日にあったことも共有したりします。これは、会話は、自分が話すだけではなくて、人の話に耳を傾けることでもある、ということを子どもが学ぶ、とてもよい方法です。新しい友だちを作って、友情を長続きさせることに役立つ重要な社交スキルを子どもが学びます。

そして、(子どもが心地良く感じるスキンシップのレベルに合わせて)ハグやキスをしたり、親が子どもを愛していることを言葉や態度で示したりして、自分が愛され大切に思われていることを、子どもに知らせましょう。