親の肩越しにこちらを見る戸惑った顔をした赤ちゃん

子育てアドバイスが 混乱を生んではいけません

最近では、子育てのアドバイスが本当にそこらじゅうにあります。自分の勘、インターネット上の記事、「私の時は」というタイプの善意からのアドバイスなどに頼っていると、自分の子育てスキルに自信を持つことが難しくなります。ですが、インターネットで日々親に向けて提供される山のような子育てアドバイスと、研究に基づいて十分に試行された子育てプログラムには、大きな違いがあります。

30年前には、子育ての一般的な問題に対する回答を見つけるのは、書店や図書館、地域の保健クリニックなどをあたってみることでした。当時親が求めたのは、かんしゃく、噛み付き、けんかなどに対処する方法を「教えてくれる」適切な「エキスパート」を見つけることでした。現在ではGoogle検索をするだけで済むでしょう。ただ、数百万もの検索結果が出ると、本当に有用なオンライン上の記事と、クリックしてもらうのが目的であったり笑いをとったりするための目的で書かれた記事を見分けるのは難しいことです。

よい点は・・・

ある意味、子育てがより広く議論されているという事実はよいことです。子育ては大変で、子育て中の様々な時期にだれもが支援を必要とするのだと認めることは、すべてがいつもうまくいっていて、子育ては自然にできるものだ、というふりをするのをやめられることを意味します。現実には、現代の親はストレスを感じることが多く、親戚から孤立し、完璧であるようプレッシャーを感じています。

・・・そして欠点は

皮肉なことに、これは、押し寄せる大量の子育てに関する記事の欠点でもあります。記事が多過ぎる、特に相反する内容の記事がある時に、お母さんやお父さんの自信がさらになくなり、より孤独に感じる原因になります。

残念ながら、オンラインで入手できる子育てアドバイスの多くは、研究よりもむしろ意見や逸話に基づいています。「流行の」メソッドの人気が薄れると、当時は最新のものだと歓迎されていたことが、今では子どもに危険をもたらす可能性のあるものだと聞かされることさえあるのです。(早期教育を覚えていますか?)

「何をすべきか教える」のではなく、スキルを構築します

対照的に、エビデンスに基づく子育て教育プログラムは以下のように開発されています:

  • ゆっくりと時間をかけている
  • 調査および研究に基づいている
  • 臨床心理学と子どもの発達について確立された原則を使用している

いくつかの細かい改良をしたり、新しいレベルの支援が開発されたりするかもしれませんが、原則は同じです。また、質の高い子育てプログラムは、「何をすべきか人々に教える」という考え方に基づいていません。質の高いプログラムは、自分の家族に最も有効だと思うものを親が選べるように、新しいスキルや対応策を提供します。親も自分自身の感情をよりよく理解するようになるため、家庭環境だけでなく日常生活の中でも役立ちます。

「現代の親には、昔ながらの優れた常識を少し教えればいい」などの意見を言う人は常にいます。実際にはそれほど簡単ではありません。将来問題につながりそうな、気質や行動の問題のある子どもを持つ多くの様々な家庭を支援するのが特に大切なことは、勘ではなくサイエンスによりわかっています。早期介入はきわめて重要です。親がストレスを感じないように、子どもが困難な状況により対応できるように、そして家族がより幸せになるように手助けをすることが重要です。それだけでなく、地域社会全体でも財源を節約し、将来の心の痛みも避けられます。

親として、子育てについて情報に基づいた決断をしたいと考えていることでしょう。どのような形のしつけが効果的か、自分の子どもにどんな価値感やスキルを身に付けて育って欲しいかを決定するため、自分の判断に自信を持ちたいと思っていることでしょう。適切な方法で困難な状況に対処するためのスキルを子どもに与えたいことでしょう。問題行動を予防するだけではないのです。責任感、思いやり、道徳的行動を教えるということでもあるのです。

ですから、「子育てアドバイス」は十分すぎるほどもらっていると思っているとしたら、おそらくそれは正しいでしょう。より効果的で建設的なのは、エビデンスに基づく適切な子育てプログラムをよりアクセスしやすくし、より理解し、すべての家庭の日常生活の一部となるものにすることです。エビデンスに基づいた子育てプログラムからあなたが必要なものを使用すればいいのです。そして、それがどこから発展したものか、なぜ存在しているかについても自信を持てるのです。その恩恵は、あなたに、他の家族に、そして社会全体にも波及します。