crowd of fans behind a fence screaming and waving autograph books

子育てのトレンドを気にする必要はありません

私は有名人のニュースに詳しい方ではありませんが、子育てのトレンドに関しては興味があります。王室の子どものファッション、ミュージシャンの赤ちゃんの名前、ハリウッドのカップルのエキゾチックな家族旅行など、メディアは雑誌の販売数やSNSのアクセスを増やす情報をよく知っていますね。 

でも、困るのは、メディアが親を責めたり非難したり、また、我々普通の親が、子育て中の有名人と自分を比べて、自分がダメな親だと感じてしまうときです。考えてみれば、子育て中の有名人の多くは、子どもの面倒をいつも見てくれる人や手助けをしてくれる人がいて、家にジムがあり、スタイリストがついていて、お金も余暇の時間も余るほどあるのでしょう。

また、科学的な研究に基づいたものと言われる、はやりの子育ての記事もあります。ですが、「サイエンス」「研究」という用語は、時にとても大きなくくりで使われます。「事実」と言われることの中には、全くの迷信であるものもあります(例えば、ニンジンを食べると暗闇でも物が見えるなど)。

子育てについての奇妙なアイデア、素晴らしいとは言えないアイデアは、人類の歴史の中にもいくつか見られます。古代ギリシャでは、赤ちゃんが奴隷から母乳をもらっていました。古代ローマでは、子どもにお守りのネックレスをあげるのがよい親とされていましたが、同時に子どもは13-14歳で結婚させ、家から出すことがよいともされていました。メソポタミア時代には、言うことを聞かない子どもは、髪を切り落とされ、家から追い出され、ひどい場合には奴隷として売られたこともあるそうです。19世紀の子育ての「専門家」は、子どもに愛情を示さないように親に教えたことで悪評が高いです。

もし最新の子育てのトレンドを取り入れる時間もお金も気持ちもないとしても、安心してください。罪悪感、無力感、どうしていいのかわからない気持ちを感じていると、メディアで発信していることに注目しがちですが、それはあなたにも子どもにも、よいことではありません。

前向き子育ての原則の一つに、自分や他人に現実的な期待をもつ、という原則があります。身につけるとよい新しいスキルや、自分を改善する新しい方法は常にあるでしょう。でも、子どもに愛情を示し、子どもと話し、一緒に楽しむだけでも、子どもの情緒に大きな貢献をすることも認めることが大切です。例えばピンタレストで見つけた手作りのベビーチェアを自分で作ろうとするよりも、自分をケアすることにもう少し時間をかけましょう。そうすることで、元気を取り戻し、次の日の課題に立ち向かうことができるのです。

現代社会では、効果的な子育ては何か、憶測や極端な理想論に頼らずに、科学的な方法を用いて検証することができます。

ですが、過去の世代のことはすべて忘れてしまえばいい、というわけではありません。子どもを愛し、守り、育むことは、何千年も続くユニバーサルな親の本能です。