今までの歩み

昔・・・

30年以上前、ある少年が母親の顔をめがけておもちゃのプラスチック製の芝刈り機を振り回した時の、その母親の傷つき当惑した表情が、すべてを語っていました。相談にあたっていた心理士のマット・サンダースは、個々の家族の手助けをする以上の、何かを行う必要があることを実感しました。

「その子どもは、間違いなく深刻な行動の問題を引き起こす方向に進んでいました。家族に大きな影響を与えることも見てとれました。」とサンダース教授は語ります。「いかに多くの親が、情報から閉ざされた状況で子育てをしているのかということに、私は愕然としました。」

サンダース教授と、オーストラリアにあるUniversity of QueenslandのParenting and Family Support Centreの仲間は、氷山の一角のみに焦点を向ける代わりに、多数の親を支援するプログラムを開発しました。

彼らは、プログラムが以下のようなものである必要性を分かっていました:

  • 効果的であること、そして児童心理学の知識や最善の対応法に基づいて構築されていること、また幾度にもわたる治験を経ていること(エビデンスに基づく)
  • 継続的に評価され、改良されること
  • 全人口に届けるため、大規模に提供することができること
  • それでも各家庭の状況に適応できること

・・・そして、現在

数十年にわたる厳密で継続的な科学的研究の結果、Triple P-前向き子育てプログラムは、今や世界で最も効果的な子育てプログラムの一つと認められています。事実、研究とエビデンスの量によりプログラムが裏付けされていることに基づき、国連はTriple Pを世界一の子育てプログラムであると位置づけています。

Triple Pは、米国、イングランド、アイルランド、スコットランド、ウェールズ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、ベルギー、日本、イラン、香港、シンガポール、オランダ、ドイツ、キュラソー、ルーマニア、スイス、オーストリア、スウェーデンなど、世界中で使用されています。19言語に(英語から)翻訳されており、これまで400万人以上の子ども及びその家族を支援してきたと推定されています。

専門的Triple Pプログラムも、開発、検証、実施が継続されています。これには、ステッピングストーンズTriple P(障害のある子どもを持つ親対象)、ライフスタイルTriple P(太り過ぎの子どもを持つ親対象)、家庭の移り変わりTriple P(離婚や別居の過程にある親対象)、原住民Triple P(原住民の家族対象)などがあります。

Triple Pはまた、国際的な賞を多数受賞しています。創始者のマット・サンダース教授は、World Health OrganizationやCouncil of Europeなど、世界中の国々の政府のコンサルタントも担当しています。