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励まし?それともプレッシャー?

妊娠中などに、生まれてくる子どもについて抱いた希望や望みについて、思い出してみてください。ほとんどの方が「とにかく健康であれば満足」と思っていたでしょう。でも、無事に赤ちゃんが生まれたとたん、子どもさんの将来について、希望や期待がどんどんわいてきたのではないでしょうか?

「いい子症候群」とは?

親の期待が、子どもの成長にどのような影響を与えるかは、日本だけでなく、多くの国で大きな話題になっています。最近日本では、「いい子症候群」という言葉があり、自分で物事を決断したり、自分の感情や意見を表現することができない子どもたちのことを意味するそうです。いい子症候群になっている子どもは、親や他人の期待に応えることを常に考え行動すると言われています。

でも、子どもに期待することがよくない、ということがあるのでしょうか?

大人の期待が、子どもが人生で達成したいことに向かって努力するためのモチベーションとなることもあります。しかし、その期待が子どもにとって重すぎると、子どもの自己肯定感やメンタルヘルスに負の影響を与えることもあるのです。

自分の愛する人々について望みを抱くことは、とても自然なことです。子どもには、善良で人にやさしく、ハッピーで、自分の可能性を実現する人になってほしい、と希望を持つ方もいるでしょう。「学校の勉強をしっかりしてほしい」「よい仕事についてほしい」のように言葉にする親御さんもいらっしゃるでしょう。

重すぎるプレッシャー

子どもの将来について、このような希望や望みを抱くことはとても自然なことですが、時に外面的な達成にフォーカスしすぎてしまい、子ども自身の成長や発達へのフォーカスが薄れてしまうこともあります。そうなると、子どもに努力することを要求する傾向が強まり、「他の子はできてるのに…」「どうしてできないの?」のような声かけが多くなってしまうこともあるでしょう。親の思いが子どもにとってプレッシャーに感じられると、子どもはこのように感じてしまうことがあります:

  • 自信をなくす (「自分にはできない。役に立たない人間だ。パパやママも、そう思ってるからいろいろ言うんだ」)
  • モチベーションが低くなる (「パパやママは、僕(私)の結果を気にしている。パパやママのために頑張っているけど、本当はもうどうでもいい」)
  • 何をしても十分ではないと感じる (「他の科目でいい点を取っても、低い点の科目があると、その科目についていろいろ言われる。結果がすべてで、自分の努力は関係ないんだ」)
  • 親と話すことがつらくなり、親との会話を避ける (「学校の勉強が大変で心配だけど、親には話せない」)

これでは、親の声かけが最終的に子どものためにならず、かえって逆効果になってしまいます。

代わりにどうすればよいのでしょう?

子どもさんが安定した社会生活を送れる大人に成長するには、学校で学ぶことよりも、親から学ぶ「生活スキル」が大きな役割を持っています。子どもに教えることができる生活スキルには、このようなものがあります:

  • 他の人とよい関係を築く、ルールを守る―例えば、他人を思いやる、自分の行動が他人に与える影響を考えて行動する、自分の順番を待つ、他人や物を傷つけない、など。
  • 自己管理―例えば、自分のことは自分でする、逆境から立ちあがる、自分の感情に適切に対処する、時間の管理、問題解決する方法を考え出す、など。
  • 相手の話をよく聞く、コミュニケーションをとる―例えば、人の話に興味を示す、もっとよく知るために質問する、自分の考え、感情、アイデアなどを伝える、など。

他にも子どもが身につけておくとよい生活スキルはたくさんあるでしょう。このような生活スキルは、日々の生活の中で身につけていくスキルです(本を読んだだけで学ぶことはできません)。そして、日々の親子のやり取りから、子どもはこのような生活スキルを学ぶのです。

子どもがこのようなスキルを身につけることと、よい親子関係を築くことにフォーカスしてみましょう。そうすることで、子どもも、そして自分自身も、プレッシャーから少し開放され、ちょうどよい標準がみつかることでしょう。

生活スキルを子どもが身につけるために、親ができること

  • よい手本になりましょう。自分の家庭、または他の家庭で、親と子が同じような振る舞いや話し方をしていることに気づいたことはありませんか。子どもは、周りの人がしていることを見て学ぶことがよくあるからです。子どもは、自分の周りで他の人がしていることを見て、スポンジが水を吸うように吸収します。ですから、子どもに身につけてほしい生活スキルを、親が実践していることがとても大切です。
  •  子どもにどんなことが期待できるかを見つけましょう。自分の子どもに何ができるのか、知ることも大切です。現実的に考えて、期待すぎないようにしましょう―期待しなさすぎもよくありません。子どもさんができそうなことがわかったら、どんなスキルが身につけられそうか、考えてみましょう。子どもさんの年齢や発達段階に合った生活スキルを考えましょう。
  • スキルは、一つずつ教えていきましょう。一度に多くのスキルを身につけてほしいと期待するのは、現実的ではありません。
  • 子どもができたことをほめましょう。 大人にとっては小さなことでも、子どもが努力している時には、励ましましょう。大人の私たちも、自分がしたことを親しい人が認めてくれると、自信がつき、もっと頑張ろうと思いますよね。子どもも同じです!子どもが新しいスキルを身につけようと努力していることを、親がほめることで、子どもは、親との前向きなやり取りを、学びと結びつけるようになります。それが子どもの自信につながり、子どもの可能性を引き出すことに役立ちます。                               

子どもにどんな人に育ってほしいか、そしてどんな生活スキルを子どもに促せるか、振り返ってみることで、親の励ましが、他人を喜ばせなければいけないというプレッシャーではなく、子どもの人としての成長に役に立つものになります。

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