他の家族が見守る中、祖母の膝の上で、ケーキのろうそくを吹き消そうとしている孫娘

世代を超えた子育て:大変ですがやりがいがあります

最もよくある、でもなかなか外からは見えない家族の衝突の原因の一つに、親と祖父母の間で子どもの世話やしつけに関する意見のくい違いがあることです。

典型的なのは、母親や父親が「ダメ」だと言うのに、祖父母がおやつやおもちゃを子どもに与えてしまう場合です。祖父母はたいてい孫を甘やかすのが好きで、日々のしつけがもう自分の責任ではないことから、甘やかす権利があるのだと感じがちです。親のほうは、自分が育てられた時には、こんな甘やかしはなかったじゃないかと、びっくりすることもあるでしょう。今自分の親がしていることを目にして、自分自身が厳しく育てられた記憶と比べることで、より否定的な感情や衝突が起きる可能性もあります。

祖父母が、頻繁に助言を与える形で、自分の知恵や体験をあれこれ伝授しようと思うのですが、これが親にとって批判の連続のように感じてしまう時にも、問題が起こることがあります。ほとんどの親は、頼んでもいない助言を好まず、意見を求めていない時に助言されると否定的な応答をしがちです。

自分の親を相手にするのも大変なことですが、義理の親との間にこの種の問題がある時には、状況はさらにデリケートになります。パートナーを議論にひきずりこみたくないと考える一方で、サポートが必要だと感じることもあるでしょう。二つの家庭の文化が異なり、様々な家族や子育ての問題について、皆が同じ期待や信念を抱きながら育ってきたのではない状況で、家族間の異なる標準に対応していることも考えられます。

では、自分の子育てへの取り組みと祖父母の見解が違うときに、イライラしたり、不満を感じたり、軽蔑の念さえ抱いたりするのは普通のことなのでしょうか。また、あなたが祖父母で、子どもや孫のために役立ちたい、最善だと思うことは何でもしてやりたい、と思っているために感情的になってしまう場合、どうすればいいのでしょう?結局、子育ては子どもが18歳になったからといって終了するわけではありません。

まず覚えておくことは、この種の問題を抱えているのは、あなた一人ではないということです。近年、私たちは、コミュニケーションや期待の違いのいくつかを橋渡しする方法や、子どもの行動に対応することに関して家族みんなが共通の見方をするのを助ける方法の研究をしてきました。

Triple Pの「祖父母」版に関する評価研究が行われています。フルタイムで孫の世話をしている祖父母に向けたものというより(これは別の課題です)、祖父母が頻繁に孫の「面倒をみる」家庭のためにデザインされたプログラムです。

最初の評価研究では、子ども、親、祖父母の三世代に明らかによい効果がある結果が出ています。祖父母と親の双方にとって、不満を感じることやコミュニケーションが難しいことがとてもよくあることが研究により明らかとなる一方、このコースは確実に役に立つことも分かりました。特に、祖父母の鬱、不安、ストレスのレベルが低下したこと、そして、孫の行動の問題が減少したと、祖父母が報告しています(これはおそらく偶然ではありません)。

興味深いことに、このプログラムは、祖父母が親とデリケートな子育ての話題について話し合う際に、より自信を持てることに役立ちました。その結果、最年長の世代とその子ども(大人)との関係を改善しました。

誰にとっても、新しい役割に適応するには時間がかかります。自分の親や義理の親との口論は本当によくあることですが、幸せな家庭生活、特に、子どもにとって役立つものではありません。子育てコースを受けることで、少なくとも皆がいくつかの基本的な問題について同意できるようになります。この家族のように、皆で一緒に生活する心の準備はできていないかもしれませんが、もう少し世代間の調和を生み出すことは可能ではないでしょうか。それは誰にとってもよいことです。