mother and baby elephant walking on a tightrope

子どもに、自分に、何を期待
していますか?

世界中の多くの親が、自分自身にこんな問いかけをしているのではないでしょうか:私は甘すぎる?それとも厳しすぎる?

日本には、「甘え」という言葉がありますね。親子関係のコンセプトで、親・子の両方の行動にみられるものです。子どもの「甘え」の行動には、親の近くにいたいという要望を表現する行動があります(例:親に抱き付いて離れない―親が他の場所に行こうとすると、足にしがみつくこともありますね!)。日本の親御さんの中には、小さな子どもには好きなことを何でもさせてあげる傾向が強い親もいると言われています。このような行動は、親の「甘え」の行動と考えられています。

「甘え」のコンセプトは、良いこと、悪いことの両方に捉えられます:親子のつながりを築く方法の一つではありますが、親が「甘すぎる」と批判されてしまう原因にもなりえます。

どの国に住んでいても、子どもに育みたい価値観、スキル、態度などは、その国の文化に影響を受けるだけでなく、個々の家庭の文化にも影響されます。日本は一般的に単一文化の社会と考えられていますが、それでも「甘え」について人により様々な意見があるのはそのためです。

親が周りの人から期待されることを心配したり、完璧に子育てをしたいと感じるのは、日本だけで起こっている事ではありません。世界の多くの親が、自分は子どもに甘すぎるのか、厳しすぎるのか、悩んでいます。適切な子育てができていると、どうしたらわかるのでしょう?

ブログを読むだけでは、このような疑問すべてに答えることは出来ませんが、役に立つスタートとして、ご自身に2つの質問をしてみましょう:

お子さんへの要求が多すぎませんか?それとも少なすぎでしょうか?

親として一つ考える点は、自分の期待が現実的かどうかです。お子さんの年齢や発達段階を考えて、お子さんに今できることは何でしょう?子どもは一人一人違います。様々なスキルを様々なペースで身につけていきます。例えば、歩き始める時期が他の赤ちゃんより早い子どももいますね。また、言葉で物事を表現することを素早く身につける子どももいれば、そのようなスキルをゆっくり身につける子どももいます。お子さんを時々観察してみると、親が子どもに合った期待を持つ手助けとなります―期待しすぎもよくありませんし、期待しなさすぎもよくありません。

自分が子どもに持っている期待について、誰かに相談してみるのもよい方法です。自分の子育てについて他の人に話すのは、最初は少し気が重いかもしれませんね。数人の親御さんが、私にこう言ったことがあります。「自分のしていること(そして考えていること)は話しづらいです。『この人、できてない』って思われるかもしれないから」

でも実際には、多くの親が同じような悩みを抱えています。ママ・パパの仲間として、役に立つヒントをくれることもあります。こんなお話をしてくれた親御さんもいますよ。「子どもにイライラして、友だちにメッセージを送ったら、そのママも子どもさんに同じようにイライラしたことがあったって言ってくれて、ほっとしました」。もし周りの人には話しづらいと感じたら、専門家の方に相談してみるのもいいでしょう。

あなた自身について、どう思っていますか?

親が自分自身について持っている思いや期待も、子どもとの関わりに影響を与えます。例えば、もしあなたが自分のことをネガティブに考えていると(例えば「自分はダメな親だ」など)、必要な時にきっぱりと子どもに対応することが難しくなります。子育て、家事、仕事、家族のお出かけなど、自分がすることに完璧を求めていると、しなければいけない事の多さに圧倒されてしまうでしょう。

そうすると、不満やイライラが起こりやすくなり、子どもに対して落ち着いて、忍耐強く対応することが難しくなります。親が自分自身にも現実的な見方をすることが大切です。誰でも時々うまくいかないことがあることを忘れずにいることが大事です。

適切な期待

上記の質問を考えていくと、自分の期待が高すぎるか低すぎるかがわかり始めてくるでしょう。Triple Pで学ぶ、前向き子育ての5つの原則の一つに、現実的な期待を持つことがあります。子どもに対してだけでなく、自分自身に、そして周りの人々に対して、現実的な期待を持つことです。

現実的な期待を持つことだけで、親が直面する問題すべてが解決するわけではありません。でも、現実的な期待を持つことで、子育てのストレスが減り、子どもに対してもっとリラックスした気持ちになれます。

1年が終わりに近づいている中で、少し時間を取って、自分の期待について考えてみませんか…バランスの取れた、よい子育てをしているのかもしれませんよ!