Boy in shock as his nose has grown like Pinocchio's

小さな嘘から大きな嘘まで:子どもがうそをつくのはなぜでしょう?

本当のことを話すというのは、どれだけ大切なのでしょう?とても正直な人でも、誰かを傷つけないように、時には事実を曲げたり言わなかったりすることがあります(「小さな罪のない嘘」とも言われます)。最近では、現代は「脱真実」の時代(客観的な事実よりも個人の感情や信念に訴えかけることが世論に影響を持つ時代) だという人もいます。ですが、ほとんどの親は子どもに正直であることを教えることが大切だと理解しています。

それはなぜでしょう?特に自分の利益のために、本当のことを言わずに誰かを故意に誤解させることは、社会では許されないことだと、誰でも心の底でわかっているからです。嘘をつくことは、信頼できる健全な人間関係の害になります。一つ嘘をつくと、それを隠すためにまた嘘をつくことになり、すぐに収拾がつかなくなります。また、嘘は自己肯定感もなくしてしまいます。

人を傷つけないようにしながら話す微妙さは、子どもにとっては嘘のように映ることもあるでしょう(「おばちゃんが作ったケーキは古い靴下みたいな味がするってこないだママ言ってたのに、どうしておばちゃんにはおいしかったって言うの?」)。ですが、悪い結果が待っていても正直でいるべきであることを、子どもは学ぶ必要があります。誠実さを身につけ、周りの人々が自分を信頼し信じてくれることがわかるにつれ、自信と自己肯定感のある大人に育っていくのです。

子どもがうそをついていると知るにはどうしたらいいでしょう?

年齢の小さな子どもの嘘は、話に信ぴょう性がなかったり、話しながら子どもが緊張からニヤッとしたり笑ったりすることから判明することもよくありますね。

子どもが嘘をついているかもしれないと思った時に、真相を解明する手助けになる簡単な質問がいくつかあります。例えば、子どもがお金を盗んだと疑っている時には、子どもがどこで誰といたかなど、その時の状況を落ち着いてはっきりと聞くのもよいでしょう。尋問のように細かく質問すると、罰を与えられると子どもに思われて、かえって子どもがさらに嘘をついてしまうことにもなりかねないので、気をつけましょう。そして心を広く持ちましょう。子どもは道に落ちていたお金を拾っただけなのかもしれません。

子どもの年齢と発達段階

幼児期の子どもは、嘘をつくつもりがなくても、現実と幻想を混ぜて、本当に起こった事のように話をすることがあります。これはとてもよくあることで普通のことです。このような話から、子どもは自分のアイデアを試したり、自分の考えを表現する色々な方法を身につけたり、大事なコミュニケーションスキルを身につけたりするのです。

小学生になる頃には、子どもには真実と幻想の違いがわかっています。もし子どもが嘘をついたら、子どもは自分が嘘をついていることをわかっていて、嘘をつく理由があります。では、どんな理由で嘘をつくのでしょうか?たくさんの理由が考えられます。例えば:

  • 他の人が嘘をついて何も問題にならなかった場面を見たことがある。買い物にいくら使ったのか、どこに行っていたのか、なぜ物事をしなかったのかなど、親や祖父母が正直に答えなかった場面を子どもが見たことがあるのかもしれません。または、年上の友だち、きょうだいやいとこが良くないことをしたところを子どもは見たのに、その友達などがやったことを認めないことがあったのかもしれません。または、どこまで嘘をついても大丈夫なのか、試しているだけかもしれません。嘘をついてほしくはありませんが、嘘をつくことで悪い結果から逃れる「メリット」があるところを見たことがあるのであれば、なぜ嘘をつくのかは理解できます。
  • 嘘をつくことで注目されたり認められたりする。子どもが、自分の持っていないおもちゃ、実際に起こっていないこと、読んだことのない本などについて作り話をすることがあるかもしれません。このような話をすることで、友だちから感心されます(短期間しか続きませんが)。また、このような嘘をつく子どもは、孤独や退屈を感じていたり、自己肯定感が低い傾向もあります。
  • 悪い結果を恐れている。悪いことをしたら必要以上に厳しく罰せられると子どもが思うと、罰を避けるために嘘をつくことを身につけます。親がこれに対応するのは少しコツが要ります。正直でいることと嘘を罰することを親が分けて考えないと、子どもは混乱するかもしれないのです。

親が感じていることを子どもに伝えましょう

ミシガン大学の最近の研究で、子どもが悪いことをしたときに、自分が正直に話すことを親がうれしく思うと子どもがわかれば、悪いことをしたために悪い結果が待っていても、子どもは自分のしたことを正直に話す傾向が高くなることがわかりました。

ですから、よくない行動には相応の結果が与えられますが、子どもが正直に話したことを認めることが大切です。子どもが自分のしたことに責任をもって正直に話したら、よくない行動に対応する前に正直に話したことをほめましょう。 

嘘をつかないように促すために、問題について親が子どもと話すことが必要です。嘘をつくことはしてはいけないこと、子ども自身が誰かに嘘をつかれたらどう感じるか、嘘をついている人がどんなトラブルに陥っているかなど、子どもに落ち着いて説明しましょう。正直でいることのメリットを話してあげることもよいでしょう。例えば:「本当のことを話すのは辛いこともあるけど、正直に話すと、自分が正直で信頼できる人だとみんなにわかってもらえるよ。そうすると気持ちいいし、家族や友達と仲良くなれるよね」のような感じです。

子どもが正直に話す機会を与えましょう

子どもが正直に話す機会を与えて、正直に話したことをほめましょう。そうすることで、子どもが自分の行動によって前向きな反応を得るので、今後も正直でいる傾向を高めます。

嘘をつかないことを子どもがなかなか身につけられない時は、子どもとあなたの間で約束状を作るのも一案です。約束状の作り方については、Triple Pファシリテーターに相談してみてもいいでしょう。特にプライマリケアTriple Pは、このような問題に取り組むのに適したプログラムです。子どもが嘘をつかなくなるにつれ、約束状を作る必要がなくなっていきます。あなたと子どもの間に長期的な信頼関係が作られるからです。